雪を溶かして水つくり |
2.乾燥と風邪低い温度の空気は、すぐに飽和してしまうために、水分を少ししか含むことができません。肺から出てゆく空気は暖かく、体内の水分をたくさん含んでいるので、冷たいところで呼吸するだけで、体は乾いてしまいます。 とにかく行動中は喉が渇きます。粘膜が乾燥して張り付くような感じになり、休憩しても食べ物は喉を通りません。咳が出始めると止まらず、自分の咳で肋骨を折ってしまった人もいます。 喉の粘膜が乾燥すると繊毛の働きが弱くなり、ウィルスや細菌を排出する働きが弱くなって、風邪を引きやすくなります。高所ではウィルスも少ないと思えますが、一度かかってしまうとまず直りません。 催眠作用のある薬は睡眠中の呼吸低下をもたらす可能性があります。実際飲むと酔っ払ったようになって、登山も下山もできなくなってしまうので、むやみに服用はできません。 高所登山では、たかが風邪といっても重大な結果をもたらす可能性があるので、まず風邪を引かないことに注意することが大切です。そのためには意識して飲み物を多量にとって、のどにやさしい水分補給を心がける必要があるのです。 今回の遠征には、ポカリスエットやエネルゲンなどのスポーツ飲料のほか、トローチやのど飴を大量に持参して、各キャンプに配置します。 発電機で電源が確保できるベースキャンプには、蒸気でのどを潤す吸入器を用意し、共同テントには現地調達の石油ストーブでやかんの蒸気を出して、のどにやさしい環境を作ることを計画しています。
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