Daily Report 〜チョモランマ日記〜
第14号 5/5 20:14 @645
5月5日(金)子供の日 チョモランマは入山以来始めて快晴無風、気温高く、絶好のアタ
ック日を迎えた。この日ノースコルの第4キャンプを出た松本・ロマンの二人は午前12時
20分,第5キャンプに到達(7500M)した。
《C4の登り6900Mから見た山頂》
当初ルート工作が未完成と心配されたが、残置フイックスが大量にあり特に問題はなかった
とのこと。 それにしても7000M滞在2日目にして8000M直前までからだを進めた
ことは二人にとっても大変な自信になったことであろうし、隊にとっても大願成就へのステ
ップに上がった。あとは一歩一歩確実に登るだけだ。さすがAチーム,松本・ロマン組。
頼もしい限り。本日はこのほか山本・荻尾・小林・青木がC4の壁に取り付いている。
「ルート工作」 20隊以上同じルートにはいるとどの隊がルート工作をするのか?が問題
になってくる。同じルートに何本もロープをかけても意味がないので、チョモランマのよう
な大きな山は最初に入山し、先にロープを付けたチームに使用料を払う形が浸透してきた。
昨年は3つの国が共同でロープを張り,あとからきたチームは一人100$支払ったという。
今年はロシアが先行したがルートが悪く誰も使用せず。続いたラッセル ブライス隊
(インターナショナルCM)と英国隊がC4までルート工作したものの息切れ。法政・東北・
北海道の3隊に振れば良いものを3隊のサーダーに協力を呼びかけた。この話に飛びついた
シェルパたち。サーダーが集まって1人につき25$を徴収する案がラッセルブラィスとの
間で提案された。ここで問題になったのが我々3隊である。シェルパは我々の雇用できたもの
で3隊の契約を無視して新しい仕事を得ようとしたことだ。うまく徴収できれば70万円以上
の収入になるからシェルパたちは目の色を買えることになる。
どの隊がシェルパを提供するのか、装備を提供するのか?誰が金を集めてどのように分配する
のか?問題は山済み。「25$ですむならどこがやったって良い」「シェルパ中心の話になる
のがおかしい、3隊の隊長が中心で」と話はなかなかまとまらない。 それにしても今日の
法政の快挙はどうだろう。松本君の報告ではC5まではルート工作は必要ないみたいだ。C5
から先のルート工作はそれだけの条件で話し合えば良い。荷揚げも明日から可能である。
松本・ロマンのC5タッチで、この問題も先が見えてきたともいえよう。5月5日、子供の日。
昨日からもやもやした頭が一気にバラ色になった。