隊員プロフィール


担当 : 装備
氏名 : 荻尾 雄二
年齢 :  1972年生まれ(27歳
読み : YUJI  OGIO 職業 : 
登山歴 : 

 1992年12月年剣岳早月尾根(冬)

 1993年12月黒部横断

 1995年9月チョー・オユー(8201m登頂)

 

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コメント :チョモランマ遠征に向けて        荻尾 雄二

    「なんでそんな苦労して山に登るの?」よく聞かれる。 そんなとき私は困ってしまう。
   「そこに山があるから。」と答えるのはあまりに平凡 だ。
   「ほんとになぜだろう。なんで重い荷物を背負ってわざわざ、交通機関がないと ころに、
   さらには身の危険があるところに、風呂も入れない不自由な生活をしに行くのだろう。」 

    経験からか、その答えが見つかりつつある。最近そういった質問には
   「生きていることを感じる為だ」と答えることにしている。
   山が不自由だとすると、当然下界にいるときは不自由のない生活をしているわけである。
   いろんな友人と一緒に食べたい物を食べたいときに食べて、好きなことをしたいときにする。
   乗り物に乗ってあっという間に何十キロも移動してしまう。
   他人に とっては当たり前に楽しい時間だが、いつしか私はその瞬間、瞬間に
   楽しさというより幸せを感じていた。
    それでは「幸せに感謝する為だ」と答えるべきだ。
   しかし私はやはり「生きている ことを感じる為だ」と答える。
   それは、変な話だが、時々私は「自分はもしかしたら死んでいるのかも知れない」と、
   ふと思うときがある。「じつはあの時あの山で死んでいるのではないか。」

    死んでいることに気づかない幽霊と言えばいいのか。
   そんな考えを否定するために、なんでもないことに幸せを感じ、
   同時に生きていることを確 かめている。そんな風に自己分析をしている。
   今回このチョモランマ遠征隊に参加させて頂くことになって行こうとしている
   究極の「死の世界」、そこから帰ってきたと きの生の実感を楽しみにしている。

    最後に、私がこの遠征に参加することを許してくれた中村隊長、及び両親に感謝いたします。
   参加するからには全力を尽くし、登山家としてまた、人として恥じないよ うにがんばってきます。